―――バッシャーン!
冷たい、僕の顔に冷水がかけられる。
誰が一体こんな事をするんだ?
僕はいや応がなしに目を覚まさせられた。
「お・は・よ・う・ご・ざ・い・ま・す! 目が覚めましたか、先輩?」
仁王立ち姿の梨深ちゃんがバケツを持ってリングの上に立っていた。
梨深ちゃんに水を掛けて起こされたのか?
何故だろうか、フランクな口調の梨深ちゃんが、いつの間にか敬語口調に変わっている。
それに梨深ちゃんの表情は怒っているようでとても険しかった。
何かこの部屋全体の雰囲気がとてもピリピリしてるような感じだ。
―――えっ・・・!?
僕はリングの周りにいる女子プロ部員たちの視線に気づいた。
そして一人一人が怒りや軽蔑するような目で僕を見ていた。
レオタードを着た女子プロ部員たちはリングの外を囲いこみ、まるで僕を逃がさない様に包囲していた、
一瞬にして僕の身体に戦慄が走った、僕は、一体、何をされるんだろう・・・
「今から先輩は、女子プロ部員たちが見ている前で、あたしとプロレスをするんですよ。ただし、特別なルールがあります。まあ・・・厳密にいえば罰ゲームのようなものですね」
真面目な顔の梨深ちゃんが凛として僕に言う。
特別なルール? いや罰ゲームって何をされるんだ・・・
この状況で聞くと凄く怖い事のように感じる。
「先輩はあたしと試合をした時、あたしの太ももを味わいたくて、わざと太ももに顔を寄せてきましたよね。しかも二度も! 真剣に試合をする場なのに、女の子のエッチな体目当てで、あたしと試合をする何て、最低ですよ・・・!」
梨深ちゃんが大きな瞳でキっと僕を睨みつける。
同時にリングの外にいる女子部員達からもきつい視線が送られる。
怖い、恐ろしい、まるで敵地にいる捕虜だった。
・・・梨深ちゃんには色仕掛けのような事をされたが、釣られてしまった僕の分が悪い。
それにこの状況では、男子は完全にアウェイ側だ。
多分、僕が何か言い訳したところで許される雰囲気では無いだろう。
「ですが、証拠はありません。ですから今からあたしと試合をして、それを女子部員たちで見てもらおうと思います。これだけの人がいる中で、あたしの太ももに擦り寄ってきたら・・・わかりますよね」
「あなたを女子プロレス部、いえ女性の敵と認識し罰を与えます。私たち女子プロでは、そのような男子を『奴隷部員』として扱い、こちらで生活を完全に管理し、更正を図ります。このプログラムは既に学校側で認められているものです」
奴隷になって生活を完全に管理されるって嘘・・・だよね。
まさかそんな事を学校側が認めるなんて・・・いや、考えたくもないが、ここは私立で
ある程度の融通は通るかもしれない、でもこんな無茶苦茶な事があるなんて・・・!
「説明は以上です。・・・・・・ふぅ・・・今度はちゃんと聞いてたよね、先輩? うん、良かった。もう一度説明するのシンドイんだよねぇ、たはは♪」
梨深ちゃんに柔らかい笑顔が戻る、さっきまでの真剣な表情は消えてしまったようだ。
柔らかな梨深ちゃんの笑顔を見ていると胸が高鳴ってしまう。
でも、これからプロレスをするっていうけど、今度、梨深ちゃんに変な事をしたら『奴隷』にされてしまうのか・・・女子プロの『奴隷』って何のことか、わからない。
気をつけないと・・・言葉の意味からするにきっとロクな目に遭わないだろう。
「うーん、・・・・・・じぃ~・・・」
何だろう? 梨深ちゃんが僕の顔をじっと見てきた。
ふわふわの桃色ブロンド髪を持つ美少女に大きな瞳で見つめられる。
髪と同じピンク色のレオタードも良く似合い、見ているだけでドキドキした。
あ・・・っ、梨深ちゃんを見てると、さっき同じ変な気持ちになってくる。
胸のモヤモヤして、気持ち昂るあの感覚が・・・
「じゃあ、あたしと一緒にプロレスしよっか、たはは♪」
梨深ちゃんに満面の可愛い笑顔を向けられる、太陽のように眩しい笑顔。
一瞬で僕の頭は梨深ちゃんのことしか考えられなくなった。
・・・ダメだ、今度こそ試合に集中しないといけないのに・・・・・・
「じゃあ、先輩。いっきますよ~っ! はぁああっ、えーいっ!」
あっ! 梨深ちゃんのタックルが来る、身構えないと・・・
『先輩~♪ またあたしに倒されて、太ももで顔を挟まれてみますかぁ?
きっとすごく気持ちイイですよぉ~、たはは♪』
梨深ちゃんが笑顔で僕に言う。
あれ・・・何でタックルを仕掛けてくる梨深ちゃんから、そんな声が聞こえるんだ?
これ梨深ちゃんが言ったんじゃない、僕の中に響いてきた幻聴だ・・・!
頭の中から笑顔の梨深ちゃんが離れない・・・!
――――ドカっ!!
まったく身構えず、まともに梨深ちゃんのタックルを受けた僕はリングに倒される。
ああ、ダメだ、今の僕は集中して試合ができる状態ではなかった。
だって、梨深ちゃんの事しか考えられないから、どうしようもない・・・!
「さっき、あたしが強い男子と試合した話をしたけど、あれには続きがあるの」
梨深ちゃんは倒れた僕の近くまで来て、穏やかな表情で僕を見下ろしていた。
「一回目には抵抗が弱くなって、二回目には無抵抗になったの。でもその男子はね、また三回目にもあたしと試合をする事になったんだ。そして三回目にはね、こ~んな事が起こったんだよ」
梨深ちゃんは僕の側に腰を降ろし、そのまま横たわる体勢になった。
レオタードを着た抜群にスタイルの良い梨深ちゃんは、まるでグラビアアイドルのようだ。
僕は思わず見とれてしまっていた。
「じぃ~・・・・・・」
うっ、また梨深ちゃんの可愛い顔で見つめられる。
梨深ちゃんの大きくて綺麗な瞳を見ると、ドキドキして、すごく興奮してくる・・・
僕は・・・多分・・・梨深ちゃんの事を・・・
「先輩~♪ またあたしのムチムチ太ももで顔を挟まれてみますかぁ? きっとすごく気持ちイイですよぉ~、たはは♪」
梨深ちゃんが笑顔で僕に言った。
今度は幻聴や幻惑じゃない、目の前にいるのは本物の梨深ちゃんだった。
「ほ~ら、脚を大きく広げて、オープン♪」
僕の目の前で、梨深ちゃんの脚が開かれ、レオタードのピンク色の股間が現れた。
梨深ちゃんの笑顔、梨深ちゃんの太もも、梨深ちゃんの股間・・・
この3つを見てしまった時、僕の中であるスイッチが入ってしまった。
うっ・・・・・・あ、あっ、あ゛ああああああああああ~っ!!
梨深ちゃんの太ももっ! ムチムチの柔らかい太ももだぁああああっ!!
僕は身体を起こし、四つん這いの体勢になった。
そして僕はあろうことか、四つん這いで這ったまま、梨深ちゃんの太ももに向かっていった。
僕の醜態は、リングの外の女子部員達から心底蔑んだような冷たい目で見られていた。
だが今の僕に、それを気に留める理性は残っていなかった。
僕はただ、梨深ちゃんの太ももが欲しかった、柔らかくてムチムチした彼女の太ももが!
まるで盛りのついた犬のように、四つん這いになって梨深ちゃんの太ももに這っていく。
そして梨深ちゃんの太ももに着き、僕は両太ももの間に顔を入れようとする。
僕の顔が梨深ちゃんのレオタードの股間に触れる、その瞬間・・・!
「いやぁああああああっ!! 先輩のヘンターーーイっ!!」
食虫植物が餌を捕えるように、梨深ちゃんの太ももが素早く僕の顔を挟みこんだ!
「捕まえた、太ももでむぎゅ♪ 組み直してフック! もう一度、むぎゅ♪ 完成っ!」
梨深ちゃんが、太ももで僕の顔に強い快感を味合わせて、感覚を麻痺させている間、脚を組み直し、首に脚をフックさせ、再度、側面から僕の顔を太ももで挟み込み固定した。
この動作が0.6秒間で行われて、『首四の字固め』は完成した。
気がつくと僕の頭は、梨深ちゃんのレオタードの温かい股間に置かれ、梨深ちゃんの脚と太ももで作った『4』の字型の囲まれた中にいた。
もちろん囲いは梨深ちゃんの太ももで隙間無く埋められ、脱出は物理的に不可能だった。
「三回目は~、『自分からあたしの太ももに挟まれに来た』でした。たはは♪」
僕を見下ろす梨深ちゃんが、得意げに笑う。
その笑顔をみた時、僕はやっと自分の置かれている状況を理解した。
ああ、僕はまた梨深ちゃんの太ももの誘惑に負けてしまったのか・・・
梨深ちゃんの笑顔と太ももの感触を味わいながら、僕は忘れていたい大事なことを少しずつ思い出していた。
―――そう、女子プロレス部における『奴隷部員』だった。
女子プロレス部で僕の生活を完全に管理され、僕自身の更正を図るというもの。
女子プロ部の部員たちの前で、僕は自分から梨深ちゃんの股間に顔を入れるという、とんでもない事をしてしまった。
どう転んでも女子部員たちは僕に有罪判決を下すだろう。
「あはは、困ったね。でも・・・もし良ければ、あたしが最後のチャンスをあげてもいいよ。
先輩が勝てば、この試合で起こった事をきれいに水に流してあげる」
チャンスだって!? ここまでやってしまった僕にまだチャンスをくれるのか。
ありがたい、九死に一生だった。
「あと先輩が負けた場合は、あたしを先輩の担当にさせてね。『奴隷部員』には女子プロの中で誰か一人が担当に就いて、その人の生活を管理したり、ご褒美をあげたり、ちゃんと更正できたかをチェックするの」
負けたら梨深ちゃんに僕の生活を管理される事になるのか、少し怖いと思いながらも、どこか悪くないと思っている自分がいた。
でも僕が勝てばチャラになるんだ。梨深ちゃんに色々してきた事を水に流して貰える。
これに乗らない手は無いだろう。
「うん、よろしい。あたしと勝負するんだね。ならちゃんと許可を取らないと・・・貴音部長ー! 最後にもう一勝負いいですかー? あたしが勝ったら、この人は私が貰うってことで、よろしいですかー?」
梨深ちゃんが僕に『首四の字』を掛けたまま、リングの外に向かって呼びかける。
十秒後、貴音部長という女性部員が現れ、梨深ちゃんに向かってこう言った。
「許可します、ただし時間は一分間です」
「なるほど・・・わかりました。部長ありがとうございます」
たったこれだけの会話でやり取りが終わった。
良く分からないが少なくとも勝負の許可はもらったみたいだ。
梨深ちゃんが太ももで顔を挟まれている僕を見下ろした。
「先輩、時間は一分間だよ。一分であたしの『首四の字』から抜け出す事ができたら先輩の勝ち。絞める強さは、最初の先輩なら普通に抜け出せるぐらいの強さだよ。それで大体一分ぐらいになるの」
一分間で僕が梨深ちゃんの『首四の字』を抜け出せばいい事は分ったんだけど、どうしてそれが大体一分ぐらいになるんだろう?
「あはは♪ それは実際に勝負をしてみればわかるよ。先輩が頑張れば、一分どころか二分、三分間と時間が延びるかもしれないね。でもあたしと貴音部長の見立てではちょうど一分なの」
う~ん? 良く分からないけど、とりあえず一分で抜け出せばいい事には変わりないみたいだ。
よし一分間だ、一分、やるぞ・・・!
「先輩やる気なんだ、頑張ってね♪ あたし、先輩を『首四の字』で絞めながら、ずっと先輩の顔見てるから。たはは♪」
梨深ちゃんが僕を見て可憐に微笑む、ううっ・・・やっぱり梨深ちゃんは可愛いな・・・
でも今は一分間で梨深ちゃんの『首四の字』を抜け出すことだけ考えないと・・・!
「じゃあ、今から始めるね。あたしのエッチなムチムチ太ももで、先輩を絞めてあげる! 『首四の字固め』、絞めつけっ・・・ふんっ、ん゛っ・・・もう少しかな、ん゛んんん~っ!!」
―――むっぎゅうううっ♪ ぎりっ、ぎり、ぎりっ!!
僕の顔の側面が梨深ちゃん太ももの力で固定されたまま、太ももからの圧迫を受ける。
梨深ちゃんの太ももが僕の顔に迫り、ムチムチで柔らかい女の子の筋肉の感触を与えられ、
柔らかいのに適度な弾力があって、強い力で僕の顔をぎゅうぎゅうと圧迫する。
気持イイ・・・! もうずっとこのままでいたいけど、段々と意識を失わされるんだ・・・!
実際に、梨深ちゃんの太ももは僕の首を絞めつけ、僕の頸動脈を圧迫している。
太ももの圧力で脳へ流れる血管が細くなり、脳に行く酸素が低下し、いずれ気絶する。
僕の細くなった頸動脈は脳に何とか血液を送ろうと、脈拍を強くし悲鳴を上げていた。
「うんうん、先輩の頸動脈がドクンドクン波打ってるのがわかるよ。あたしの太ももで血流が止められて、脳が酸素欲しいよ~って泣いてるんでしょ。でも止めてあげない♪ あたしの柔らか~い太ももで邪魔してあげる、たはは♪」
くっ・・・僕の顔を上から覗き込み意地の悪い笑みを向けられる。
こんなに馬鹿にされても、何故か梨深ちゃんにならされてもいい気がしてくる。
だけど今は梨深ちゃんの『首四の字』を抜け出す事だけ考えるんだ・・・!
ぎゅうぎゅうと僕の首を絞めつけている梨深ちゃんの太ももに僕は両手を置く。
肌がスベスベでさわり心地の良い太ももだった、柔らかくて、汗で濡れて、温かかった。
だが、いつまでも触っていたい誘惑を捨て、外側に太ももを開けて拘束を緩めようとした。
だがその時、僕を真上から見下ろす梨深ちゃんと目があってしまった。
「先輩、今みたいに、ず~っとあたしの柔らかい太もも挟まれていたくない? 先輩が望めば、このムチムチな太ももをこれからも、たくさん顔に押し付けてあげるよ。肉付きが良くて、肌もスベスベで、弾力がモチモチな、女子高校生の自慢の太ももをね♪」
梨深ちゃんが可愛い顔で僕に微笑みながら、甘い誘惑の言葉を投げかけてくる・・・
「先輩の顔は今、あたしの太ももの中に包まれているんだよ。柔らかいよね? 温かいよね? あたしの汗と女の子のいい匂いがするよね? こんな太ももの中でずっといたいよね? ねぇ先輩? ん、どうかな先輩? んん~?」
梨深ちゃんが桃色のブロンド髪を揺らしながら、僕の顔を見つめ、可愛く首をかしげる・・・
「それに先輩の頭の後ろ、柔らかくて温かいでしょ。そこ、あたしの股間なんだよ。汗で股間のレオタードが濡れてるけど、あたしの体温で温かくなってるはずだよ。ほ~ら先輩、後頭部を集中させて感じてみて、あたしの温かい、ア・ソ・コ・を♪」
梨深ちゃんの言葉が、僕の意識を後頭部に向けさせる。
確かに、何かジンジンと温かい熱が・・・それに頭の後ろに何か柔らかい感触があるし・・・、
もしかして、これが・・・梨深ちゃんの、アソコ・・・!!
「え~っ、もしかして本当に後頭部に意識を集中させてるの? え、してない? ダメ! 嘘ついてもわかるんだよ! あたしのアソコの温度と感触、感じてたでしょ! ビシィ! 先輩のエッチ! でも男の子だからしょうがないよね、たはは♪」
コロコロ変わる梨深ちゃんの豊かな表情に心を奪われる。
梨深ちゃんの驚いた顔も、怒った顔も、笑ってる顔も全部可愛い・・・!
「ん~っ? 先輩、ずっとあたしの顔見てるけど、あたしの顔に何かついてるかな? 別にあたしの顔ぐらいいくらでも見てくれても構わないけど。先輩はどんな気持ちで、あたしを見てたのかな? たはは、あたしってカワイイかな? ん~? 教えてよぉ?」
梨深ちゃんの大きな瞳が僕の顔を見つめてくる、やっぱり梨深ちゃんは可愛かった。
そして確信してしまった、僕は梨深ちゃんを好きになってしまっていた事。
太陽のような梨深ちゃん笑顔も、柔らかい太ももも、全部好きになってしまっていたんだ。
梨深ちゃんの柔らかい笑顔、いつまでも見ていたい気持ちにさせる。
梨深ちゃんの・・・・・・あっ・・・・・・!?
突然、梨深ちゃんの顔にモヤがかかり出す、次第に視界も暗くなってきた!
「ぷっ、あはははははっ♪ どうしたの、先輩? 目の焦点が合ってないよ。まさか、もう意識が無くなり始めたとか、してないよねぇ? うふふっ♪」
頭がクラクラしているが、意識は・・・まだ残っていた・・・
僕はやらないといけない事を思い出し、梨深ちゃんの太ももに手を掛けた・・・!
どうか・・・外れてくれぇ・・・梨深ちゃんの『首四の字』・・・・・・!
いくぞぉ・・・ふ~んっ・・・んっ・・・っ・・・・・・!
・・・・・・う、嘘だ、全然外れない・・・!
も、もう一度力を込めて・・・
ふ~んっ・・・アレ・・・ふ~んっ、ふ・・・・・・んっ・・・・・・!
あっ、あぁ・・・、さっきよりも力が入らなくなってる・・・!
まさか・・・もう・・・
「あはは♪ 残念、ゲームオーバーだね。もう何度やっても無駄だよ」
嫌だ! 嘘だ・・・! まだ僕の意識が残ってるんだ!
だから・・・まだ・・・終わりじゃない・・・・・・!
ふ・・・・・・っ? ・・・なんか変だ? ふ・・・・・・っ・・・?
あれ・・・指がおかしい・・・力が入らない・・・
「もう先輩の指先の感覚が無くなってるんだよ、脳に血液がいってなくてね。先輩の視界にモヤがかかった時がちょうど一分だったの。多分、それがあたしの『首四の字』をちゃんと外すことのできるデッドラインだね」
「今の『首四の字』は、脳に送る血液をほんの少し減らしたぐらいだから、いきなり意識が無くなる事は無いと思う。でもさっきみたいに少しずつ感覚が無くなる事はあるよ。もう指は動かせないと思う」
「段々、身体で動かせないところが増えてきて、感覚が無くなって、最後には眠るようにゆっくりと意識が無くなっていくんだよ、たはは♪」
そんな、嫌だ・・・これで『首四の字』を外せなかったら・・・
僕は女子プロレス部の・・・『奴隷部員』になってしまう・・・
「そうそう、あたしが先輩の担当だったね。あたしの生活管理はねぇ。ここから離れた山の方にある工場なんだけど、携帯みたいな機械の部品をつくる所なの。先輩にはそこで住み込みで働いてもらいま~す。ネットもテレビも無いって聞いてるよ」
嘘・・・そんな住み込みで働かされるなんて聞いてない・・・
それにネットどころかテレビもない何て・・・!
「朝は早くて、夜は何時に終わるか・・・は聞いてないかな? あたし、話しか聞いてないし。あっ、でもずっと座ってやれる作業らしいの、まあずっとその作業が続くらしいけど・・・けどお給料は・・・あ、そっか、先輩には関係ないもんね。ん、まあ、頑張ってね、先輩♪」
何か聞いているとすごい所で働かされるみたいだ・・・
でも嫌だ、僕はまだ学生なんだし、バイトならともかく・・・
そんなところで無理やり働かされるなんて・・・
「ん~でも、先輩に拒否権は無いんだよ。工場の住み込みで働きたくなかったら、まずは、あたしの『首四の字』を外さないとね」
そんな事言われたってもう僕の手は動かない、だから『首四の字』は外せない。
もう梨深ちゃんの太ももで絞め落されるしかない・・・
「先輩があたしの『首四の字』で気絶したら、すぐに先輩を、そのまま工場の宿舎へ運ぶ予定なの。次に目が覚めたら、知らない場所の知らないベッドの上だね、たはは♪」
嘘だ・・・、そんなの嫌だっ!
次に目が覚めたら知らない場所にいて、工場の住み込みで働かされるなんて・・・
でも今残っている僕の意識も、いずれ消えてなくなる、そしたら、そこは・・・・・・
嫌だ・・・嫌だよ・・・怖いよ・・・
「あとね・・・そこってね、男の人ばかりで女の人が全然いないって話なの。だから、あたしみたいなカワイイ女の子はいないってこと、・・・たはは、ちょっと冗談。でも長い間、そこで過ごすんだから、今やっておいた方がいい事ってあると思うよ」
僕は梨深ちゃんに『首四の字』を決められ、身体の感覚が無くなってきてるのに、今さら何をやれっていうんだ?
身体は動かないのに、頭だけわずかだが動かせる状況が腹立たしかった・・・
「先輩、時間は有効に活用しなきゃ。先輩はあたしの太ももで『首四の字』を掛けられて意識がもうすぐ無くなる事は確実だね。でもそれまでは女の子の柔らかい太ももに、顔を挟まれてるんだよ。意識が落ちるまでは、あたしの太ももは完全に先輩のものだよ♪」
僕に残された事は、梨深ちゃんの太ももの感触を味わう事だけ。
知らない工場で働かされる僕に、梨深ちゃんは最後の慰めをくれるようだった・・・
「いいよ、あたしこういうの慣れてるし。この太ももで何度も男子を挟んできたからね。あたしの太ももに顔を傾けて、ムチムチな感触を味わってもいいし、わずかな隙間を見つけて、スベスベの太ももに頬ずりしても構わないよ」
梨深ちゃんが上から優しく微笑む。
その頬笑みを見て、僕はどうしようもなく梨深ちゃんが好きなんだと実感する。
男ばっかりの所に行かされるんだったら・・・最後に梨深ちゃんの太ももを味わいたい・・・!
「勝負のルールで、あたしは太ももを動かせないから、感触を味わいたいんだったら、先輩が頑張って太ももに顔を擦りつけてね♪」
ううっ・・・長い間、梨深ちゃんの話を聞いてたから、意識がさらに朦朧とする・・・
でも意識が完全に尽きる前に梨深ちゃんの太ももを味わうんだ・・・・・・
僕は渾身の力を振り絞って、梨深ちゃんの太ももに顔を傾け押し付ける・・・!
「あ~っ、あたしのムチムチ太ももを突破する気だね? いいよ、その挑戦受けてあげる。先輩の頬をあたしの柔らか~い太ももに押し込むと、気持ちいい弾力が跳ね返ってきて、それ以上進めないよね?」
「反対側もいいよ、むぎゅ~って頬を押し付けて。ほら、柔らかい弾力が跳ね返ってきて、もう押し込めないね。残念、でも気持ち良かったでしょ? もう一度やってみる? 先輩が気絶するまで、何度でも受けてあげるよ」
やっぱり梨深ちゃんのムチムチ太ももの感触は最高だ。
頬を太ももに押し込んでも、気持ち良い弾力で押し返されるだけだった。
つ、次は・・・梨深ちゃんのスベスベ太ももの肌を味わう・・・
僕の顔がゆっくりと、頬と太ももの摩擦を利用して、ほんの少しだけ左右に微回転する・・・
「ふ~ん、必死で顔を動かそうとして、今度はあたしの太ももに頬ずりするんだ? あたしの太ももでがっちり顔を固定されてるのに、先輩はどうやって頬ずりするの? ・・・んっ? あたしのかいた汗で頬ずりしてるの? もぅ・・・先輩のヘンタイ・・・」
「でも仕方ないから、あたしの汗で太ももに頬ずりしていいよ。汗臭かったらゴメンネ。ほ~ら、ゆっくり頬ずりしてみて、スベスベな肌が、あたしの汗で濡れて気持ちいいかな? あ、それ以上顔を回転させても、太ももに顔がめり込むだけで先に進めないよ、残念だね」
ああ、梨深ちゃんの肌、スベスベしてて、すごく柔らかい・・・!
女の子の肌って男子と違って、こんなにも気持ち良かったんだ。
そして最後にもう一度だけ・・・あの梨深ちゃんの温度を感じたい・・・
もはや視界は無くなっていた、頭を左右に振ることもできない、
でも下に、ほんの少しだけでも後頭部を下げるだけなら・・・!
「・・・・・・エッチ、あたしの股間に何かの体重がかかってるんですけど。はぁ・・・仕方ないなぁ。どう、あたしの股間は? 温かい? そこってさ、柔らか~い、くぼみがあるでしょ? それ、あたしのお○んこだよ。もう一度言ってあげようか? あたしのお・ま・○・こ♪」
「先輩の後頭部が乗せられている、あたしの柔らかいお・ま・○・こ♪ あたしの汗ですごく蒸れてる、あたしのいい匂いがするお・○・ん・こ♪」
「・・・ふふっ♪ こんなこと言うの特別サービスだからね。 男の子のおチンチンが入って、中のヒダヒダでぎゅぎゅうと気持ち良くされて、最後には中でエッチなお汁を出される、女の子のお・ま・○・こ♪」
ああ・・・あの梨深ちゃんの口からこんな卑猥な言葉が聞けるなんて。
僕は消えゆく意識の中、感動にむせぶっていた。
「あっ、身体が痙攣してきてる。そろそろブラックアウトだね。明日から仕事になるけど、これからはご褒美の度にこれが味わえるからね。でもそれまでは・・・あたしの太ももで、お・や・す・み・な・さ・い♪」
梨深ちゃんのおやすみなさいを聞いた時、まるで子供が寝入るように、僕は、梨深ちゃんの太ももに顔をもたれさせて、長い眠りについた・・・
女子プロレス部のリングの上、そこには梨深ちゃんと梨深ちゃんの太ももで眠っている僕の二人だけだった。
「・・・これで第三段階目は完了ですわね。梨深、御苦労さまでした」
リングの外から凛とした声があがる。
それは後輩部員である咲畑梨深を労うための言葉だった。
咲畑梨深もそれに応じて礼をする。
「では目を覚まさないうちに車をお願いしますね」
そして彼女は、別の女子生徒に声を掛け部室を後にする。
銀髪で背の高く、どこかのお姫様のような気品ある彼女、その女子プロの部長は、僕に試合の提案をしてきた四条 貴音(しじょう たかね)という人物だった。
続く